現在、夢限の英雄章―SIDE:HOME―で管理人(ENGA)が執筆、好評連載中の作品、

STRAIGHVER
(ストレイヴァー)

STRAIGHVERミニロゴ


「完全オリジナル創作:リアルスーパーロボットストーリー」

を掲げ、SF性、ロボットアクション、恋愛や人間模様等を追求していきます!!

このSIDE:BLOGでは、「夏休み特別企画」としてこのSTRAIGHVERのエピソードをブログに掲載していきたいと思います!!
これを読みまして興味を持った方、デザイン等が気になるという方は・・・

STRAIGHVER HOME

から、一気に一覧で読むことが出来ます!!そちらには、イラスト、メカニックデザイン、キャラクターデザイン、また「勝手に想定声優」や「勝手にイメージソング」等もチェックすることが出来ます!!

では、是非一読ください!!




04.遭遇

「はなしが・・・ある」
銀色のような・・・白のような、セミロングの白銀の髪を靡かせた少女は、小さくそう言った気がした。
「えっ・・・」
驚きは隠せない。話・・・?自分に・・・?柊真は眼を丸くした。が、状況は思わしくない。下校しだした生徒は興味本位の視線を柊真と、彼の腕を引っ張っている少女へ否応なしに向けられる。
何せ、見知らぬ転校生にある種学園一目立つ“顔”を持つ自分が腕を掴まれてるのだ。ただならぬ空気も流れていることだし、もしフィナやエイジに見つかれば面倒なことになることは必至である。
「場所を変えないか?」
それが、柊真の精一杯の答えだった。

12:30
臨海小公園

「なんでこういうことに・・・?」
柊真は自身がおかれている状況を未だ把握しきれずにいた。
隣では買ってやったクレープを会ったばかりの転校生=威舞が相も変わらずの無言っぷりでただただ食べ続けている。
一応、感想を聞いてみた。
「おいしいか?」
「あまい・・・」
それは“おいしい”と同義と考えていいのか?
「はじめて・・・」
「何が?」
「・・・あまいの、たべた」
「初めてクレープ食べたのか?」
威舞は首を振る。そしてクレープからはみ出す白い泡状のものを指さした。
「これ」
「生クリーム?」
「うん」
「初めて食べたのか・・・!?」
「うん」
信じられない。柊真の中の一般常識では女の子はみんな好きなものだと思っていた。たまに苦手な子がいても=一度も食べたことがない…とは至らないと思う。
「今まで何食って生きてきたんだ?」
そんな質問に、ただ威舞は答える。
「・・・とくしゅえいようしょく」
柊真は“特殊栄養食”に突っ込まないことにした。
というか、突っ込み方も謎な上に非常に訳ありなんだろう。

「はぁ・・・」
柊真は辺りを見渡した。何故こんなことになってしまったのだろう。
海沿いの高台にある公園・・・普段は恋人やカップルなどの連中で賑わう、いわいる
デートスポットというやつだった。だが、平日の昼・・・オフィス街などからも遠いここは人通りも少ないし、フォルフォード学生の下校通路とも離れているから誰かに見られる可能性は低いはずだ。
「なんでこんな心配してるんだろう」
逃げるように学校を出た後、クレープの出店の前を通り過ぎた時、その甘い匂いと雰囲気に、威舞はただならぬ興味を抱いているように見えた。
『仕方ない・・・』と昼飯代わりにクレープをおごってしまったのがまずかった。・・・財布は空っぽである。もともとスロッドル家の小遣いの量は少ないし、財布にはあまり札を入れない癖が柊真にはあった。なので、買えたのは1つだけ。それを男が食べていると言うのは・・・ということで、となりを歩く少女に渡し、とりあえず近くの公園内のベンチに腰を下ろしたというわけで・・・。

で、クレープも食べ終えたところで柊真は本題に入った。
「で、話って・・・」
そう、校門前で言われた『はなしがある』その言葉の真意を確かめる為に。
普通の思春期の男ならここで“告白”というワードが出てくるところだろうが、そんな経験も興味もないこの男は、そんなことは一欠片も考えていなかった。
柊真のような男を、世は朴念仁と呼ぶのだろう。
しかし、相手である威舞にも、そんな気はなかったらしい。彼女はこう言った。
「アダム・・・」
「あっ」
「しゅうま・・・あだむ・・・?」
“アダム”・・・って自分の事を差しているのか?
「俺が・・・?」
彼女は小さく頷いた。
「アダム・・・って何だよ」
柊真には判らないことだらけで。そもそも、この転校生・・・弓月威舞・・・こいつは、一体何者なんだ?
「・・・ちから」
「は?」
「ちから・・・しゅうまに・・・ある」

ちから?
自分に・・・?

急に、柊真は傷跡が・・・顔に走る傷跡が痛んだ。すごく、嫌な感覚。
「わたしとおなじ・・・ちから・・・もって・・・うまれた」

反射的だった。
鞄を抱えて、彼女置いてベンチから立ち上がり、その場から立ち去った。いや・・・走り去った。
聞きたくなかった・・・。
何故?
何で?

「何なんだよ・・・あいつ!」

意味が分からない。
でも、怖い・・・。
自分の存在を、知っている。
闇へ手招きしているような・・・そんな感覚。

―弓月威舞―

何者なんだ・・・!?

17:30
スロッドル邸前

「はぁ・・・はぁ・・・」
呼吸が荒い。気持ちの赴くままに、ただ走り続けたから息が荒かった。走りつかれていたのでとりあえず、柊真は家に向かって歩を向けていた。フラフラしている理由もない。ただ、家に帰って布団に包まってジッとしていたい・・・そんな気分だったから。外とのつながりを絶ちたい・・・そんな気分である。
家の目の前まで来た。そしてインターホンを押そうとした時、気配を感じた。
振り返る・・・。
予想通り、彼女はいた。
日は夕暮れになり、傾き始めている。オレンジ色・・・いや、紅の色に染まる世界。そんな血の色に染まった少女が、自分の後を追っていた。
「・・・弓月威舞」
彼女は、自分を追ってきたのか・・・。赤くに染まった白いセミロングヘアは、血塗られた死神にしか見えない。
「いぶでいい・・・」
相も変わらずのペースでそう答える彼女に、柊真は首を振った。そして、自分の思いを・・・怒りを・・・気持ちをぶつけた。
「誰なんだよ・・・!」
「・・・」
「お前は・・・!」
「・・・」
「アダムって何だよ」
「・・・」
「俺はそんなんじゃない!もう・・・ついて来るな!」
そして・・・走り去った。インターホンを押すことなく、彼は夕暮れの町に染まった町並みの先へ消えた。

「ついてきた・・・?」
彼女は一人首を傾げた。別に柊真を追いかけてきた訳ではないのに、彼は何を怒っているのだろうか?彼女には理解できなかった。
ガチャッ
ドアが開く音。そこにエプロン姿の女性と、制服姿の女の子との姿が現れる。
「お帰り!威舞ちゃん!」
「もうビックリしたよ!!今日からここに住むんだってね!よろしくね!」
その言葉に、威舞は表情を崩さず、ただコクンとお辞儀をした。

19:00
臨海小公園

電気自動車が公園横に停まっている。中には2人の男女の姿が見えた。夜、いちゃついているのかもしれない。だが、そんなことは柊真にはどうでもよかった。
結局、行く当てもない彼は・・・昼間来たばかりの公園のベンチに腰を下ろした。上を見上げれば、沢山の星達が瞬いている。だが、月は見えなかった。
海辺近くの丘にある公園ということで、吹きつける風が心地よい。確かに、デートスポットと言うだけのことはある。
柊真は空を見上げながら、あの少女・・・威舞のことを考えていた。
まてよ・・・・威舞・・・いぶ・・・イブ?
「アダムとイブ・・・?」
まさか・・・
なんかの冗談だったのか?自分の名前がイブだから、それにかけての何かの冗談・・・。
いや・・・
彼女は冗談なんか言えるようなキャラではないことは、理解している。

波の音。

アダムとイブ・・・。
世界が最初の2人の人間・・・。
彼女は、自分に何を求めているのだ・・・?

ギギギギギギッ

気味の悪い音。黒板を爪で引掻いたような・・・。音のする方向を向くと、電柱がひしゃげていた。曲がっている・・・いや、曲げられていた。何か・・・大きい爪のようなものに。
「何だ・・・」
その巨大な爪は、海側の丘から突き出していた。

ギギギギギギッ

更なる気味の悪い音と共に、その爪の主が姿を現す。
「鉄の蜘蛛・・・」
化け物だった。全長50m・・・高さも20mはあろうかという・・・巨大な蜘蛛のような化け物・・・そう、大昔の怪獣映画でしかお眼に掛かれないような・・・
いや、これは映画じゃない。
柊真は後ずさりした。とにかく、ここを離れなければ!まだ、この化け物は自分に気づいていない。
その時だった・・・。
蜘蛛の化け物が突然疾駆しだしたのだ。その先にあるのは、あの赤い車・・・。
「逃げろ!」
とっさに柊真は叫んでいた。その声に気づいたのか、はたまた乗っている女の人の悲鳴が先立ったのかは分からないが、車は急いで電気スターターを作動させ始めて、走り出した。だが・・・遅い。
蜘蛛の爪は容赦なく車を掴んだ。
「キャァァァァァァッ!!!!」
「ウ、ウアアアアアアアアアッ!!!!」
女と男の悲鳴・・・だが、この公園の周りに民家は少ない。聞こえているのは、何も出来ずに見守る少年、柊真・スロッドル唯一人だった。唾液や体液を垂らしながら、その獰猛な口は開かれる。そこに不規則に並ぶ牙。

グッシュ・・・グチャ・・・グチャ・・・

柊真は眼を背けた。車ごと食い千切る音。血の匂い・・・そして落ちる肉片の音。
足が震えた。
「・・・」
逃げなきゃ・・・
だが、足が震えている。

カタッ

石に躓いてしまった。
鮫のような顔面が、こちらを睨みつける。まるで新たな餌を見つけたと言わんとするかのように・・・。
(く、食われる・・・)
その眼がない鉄の蜘蛛は、黒銀の身体を震わせてこちらに迫ってきた。
「う・・・」
その時だった。

ドドドドッ!!

空中から1体の・・・いや、1人の巨大な人のような者が降ってきたのだ。あまりの光景に、柊真は眼を丸くする。
よく見るとそれは銀色のボディに紫色がポイントで入っている。
「ロボット・・・?」
アニメで見たような、ロボット・・・。
でも、これはアニメじゃない。柊真と蜘蛛の間に立ちふさがる形になったロボットは、両腰から長短2本の剣を取り出して、構えた。その瞬間、全身のリング状の部位からは薄紫の光の粒子を放出し始める。まるでエネルギーを溜めていくかのように。そしてそのエネルギーは、二振りの剣にも届いた。

海風が吹く。

紫銀のロボットは、夜空の下・・・疾駆した。

19:10
C−570 戦術司令S型輸送機S−エアキャリヤー“飛燕”

黒い三角形状の大型輸送機。この機体は5機ものSTRAIGHVER型の機体を搭載、輸送できるだけでなく、戦地でも指揮機としての側面も持っていた。
上空1000mの地点から、S-X02E“剣”を降下させた後、戦況を見守りつつパイロットである弓月威舞・・・通称タイプEに指示を与えていた。
管制室には数名の女性管制官の他に、弓月総司令、ハルト副司令の姿もあった。
「何故だ・・・何故衛星写真に引っかからなかった」
ハルト副司令の苛立つ声に、女性管制官が答える。
「数分前太平洋上に衛星の落下を確認」
「それは、撃破されたと言うことなのか?」
弓月総司令の問いにも彼女は同意した。
「我々バーストだけでなく、全ての人工衛星が破壊されたようです」
「「・・・」」
管制室を不穏な空気が包み込む。
「ハルト君・・・」
弓月は、武人の目でこう言った。
「我々の敵は・・・地球(ここ)にいるものだけでは、ないのかもしれないな・・・」
敵は地球にいる者達だけではない・・・。
弓月総司令は決意を新たに、命令を伝えた。
「“剣”に伝えろ、その公園は人も少ない。その場で撃破するんだ」
「了解しました」
管制官がパイロットにその旨を伝える。
「上空からの映像、でます」
モニターに対峙するSTRAIGHVERと、敵の蜘蛛型VOLVE・・・通称タイプV1Sの様子が表示された。
その時・・・
「ん・・・」
弓月は画面下に、1人の少年の姿を捉えた。
「まさか・・・!」
「タイプA・・・!」
何故、こんなところに・・・1人で?疑問はあったが、今は彼の安全を最優先にしなければ・・・。
その時、管制官から驚きの声が上がった。
「ヴォルヴ、更にもう1体現出!戦闘中の“剣”背後に回られました・・・!どうやら我々のサーチにジャミングをかけているようです。“剣”への通信が妨害されています」
「何!?」
弓月総一郎は思案を巡らせていた。いくら高機動、高性能を誇るX-シリーズとは言え、1対2、しかも不意打ちでは分が悪い。このままでは・・・
「威舞、避けて!」
管制官の悲鳴が飛んだ。1体目との戦闘に気を取られていた威舞は、背後から近づく2体目に気づかなかったのだ。VOLVEの爪に両腕部を付け根から両断されてしまった。主武器である剣が使えなくなったSTRAIGHVERなど、VOLVEにとってはおそるに足りない存在だろう。
「はっ・・・ジャミングが消失しました!」
恐らく、奇襲の成功に安心し、ジャミングを説いたのだろう。もともと、下級のVOLVEであると推測されるV1S型に長時間のジャミングは不可能なのだ。
ならば・・・勝機はある。
「“刃”を使う」
その言葉に、管制室全員が驚きの声を上げた。
「まさか、タイプAをいきなり機体に乗せるんですか!?」
「ああ。そうなければ、威舞は捕食されるぞ」
威舞は2体のVOLVEに挟撃され、今はコックピットを割られてしまっていた。いつ捕食されてもおかしくはない。
「ですが・・・」
「掛けるんだ、今は・・・彼に」
彼、1人のSH計画の完成形・・・アダムに。
「S-X03A型ストレイヴァー“刃(ヤイバ)”降下準備。」
「了解」
今は、彼に掛けよう。・・・柊真・スロッドル!


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2008.07.23 Wed l (創作)<旧>STRIGHVER l COM(0) TB(0) l top ▲

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